近年足腰をしっかり鍛えているのに、つまずいたり転倒したりしてしまうお年寄りが増えているといいます。
東京都内でも15分に2人もつまずきなどで転倒して、救急搬送されている人がいるのだとか。
転倒すると骨折するリスクも高まるということですが、これらを防ぐ方法はあるのでしょうか?
今回は「名医とつながる!たけしの家庭の医学」の中から、転倒リスクを下げる方法などをまとめました。
目次
放送日時・概要
8月13日(火)19:00~20:54
「名医とつながる!たけしの家庭の医学」
・血圧改善でつまずき転倒予防SP
■出演
MC: ビートたけし、澤田有也佳
ゲスト:小野武彦、秋野暢子、鈴木杏樹、ガダルカナル・タカ
医師:塚本雄介
※腎臓の専門医。40年以上治療にあたる一方、国際腎臓病ガイドライン機構KDIGOの常任理事として初のガイドライン作成にも尽力
転倒のリスクが高いかどうか分かる4つの問診
② 夕方などに靴がきつくなり、履きづらく感じるときがある
③ 階段を上がっただけで息切れ、動悸が増えた
④ 以前に比べて皮膚が乾燥してかゆみがある。
この中で1つでも当てはまると、運動していても転倒のリスクが高くなる可能性があるということです。
「立ち上がりテスト」
筋力の衰えをテストする簡単な方法です。
40㎝の高さの椅子に座り、胸の前で腕をクロスします。
そこから片足で立ち上がって3秒間キープできるかという「立ち上がりテスト」。
これがうまくできなかったり、バランスをくずしてしまうと筋力が衰えている可能性があるようです。
筋力低下の原因
普段からウォーキングなどを行い、足の筋肉アップに努めている人でも、筋力が衰えている人がいます。
原因は腎機能の低下です。
腎臓と筋力の関係
筋肉細胞の栄養分を作っているのは、腎臓が分泌するホルモンです。
腎機能低下→ホルモンの分泌減少→筋肉細胞が栄養不足に→いくら運動しても筋力が衰える
ということなのだそうです。
そのため、夜間頻尿は筋力の衰えが進むサインの可能性があるのだそうです。
気になる方は、先ほどの「立ち上がりテスト」をやってみてくださいね。
腎臓が悪くなる原因
先生のお話だと腎臓は全身の健康を維持する要で、悪くなると全身に悪影響を及ぼすということです。
最初の方でご紹介した「転倒のリスクが高いかどうか分かる4つの問診」の症状は、腎機能が落ちると現れる主な症状だそうです。
腎臓の悪くなる最大の原因の1つが高血圧ということ。
腎臓にある糸球体(ろ過装置)が健康な人だと左右に200万個ありますが、高血圧になると壊れてしまいます。
高血圧になると負荷が増大し、ろ過装置が破壊され、腎臓の機能が低下してつまずくリスクが高くなるのだそうです。
また、ろ過装置は一度壊れると復活はしないものの、ある程度残っていれば減った分もカバーできるということ。
高血圧の改善などで腎機能を回復すれば、筋力を増やして転倒を防ぐことが可能だそうです。
名医おすすめの食材
名医がおすすめの食材は「とろろ昆布」です。
とろろ昆布で血圧を改善し、筋力アップの効果が期待できます。
とろろ昆布は塩分を排出する物質であるカリウムを多く含むということです。
カリウムは緑黄色野菜や果物、海藻に多く含まれるミネラルの一種。
厚生労働省の1日の推奨摂取量が2600mgなのに対し、日本人女性は約300mg摂取不足なのだといいます。
その不足分をとろろ昆布に換算すると約6gでひとつかみした程度の量で、しかも余分な塩分を排泄できるということなので嬉しいですね。
※腎臓病と診断された方はカリウム摂取が制限される場合があるため医師に相談するようにという注意書きがありました。
とろろ昆布の検証&結果
検証実験に協力してもらったのは倉島さん(72歳)。
倉島さんの普段の塩分量は9.3gと1日の推奨摂取量を超えていました。
また尿検査で塩分量をチェックしたところ、健康な人が80%排泄可能なのに対して、倉島さんは健康な人の半分以下の47%。
普段の食事にとろろ6gを加えて1週間食べたところ、次のように改善されました。
・塩分排泄量が80%を超える日が3日
・血圧:148 → 124に低下
・太ももの筋力量:2.15kgで90代以上 → 2.23kgまで増加!
先生によると、継続することで筋力量の回復も得られるのではないかとのこと。
こちらの記事もあります。
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筋力量と腎臓は全く別物だと思っていたので驚きました。
年齢を重ねるとお手洗いが近くなるのは自然なことだと思いますが、ちゃんと運動しているのにつまずいたりしやすい方は「もしかしたら?」と疑ってみて、立ち上がりテストなどしてみるといいかもしれません。
腎臓病と診断された方は摂取するのに注意が必要ですが、何かをとろろ昆布に置き換えるのではなく、とろろ昆布を普段の食事に加えるだけというのは簡単でいいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました。