血糖値は食事をすれば誰でも上がってしまいますが、少しの工夫で上がりにくくすることができます。
今回は、血糖値上昇を抑える食材の色をご紹介します。
目次
放送日時・概要
テレビ朝日
7/2 (火) 19:00 ~ 21:48
名医とつながる!たけしの家庭の医学
3時間SPより
・食事の「色」でわかる高血糖を防ぐ食材は?
・ナマクラ流ズボラ派の奥薗野菜レシピ
をご紹介します。
出演
MC:ビートたけし、澤田有也佳アナウンサー
ゲスト:かたせ梨乃 大森南朋 榊原郁恵 ガダルカナル・タカ
家庭料理研究家 奥薗壽子
解説してくれた先生は、東邦大学医療センター 大森病院
東邦大学医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野 教授 弘世貴久先生です。
そもそも血糖値とは?
血糖値とは血液中の糖分の量のことです。
体内に流れる血液の量は、成人で約4リットルですが、健康な人の場合、糖分の量は角砂糖約1個分です。
白米のご飯をお茶碗1杯食べると、血液中の糖分の量は、角砂糖約15個分に増えます。
驚きですね。
この大量に増えた糖を処理してくれるのがインスリンです。
インスリンは糖分を細胞に届けてくれます。
このインスリンの働きにより、血液中の糖分が減り、再び角砂糖1個分に保たれます。
なぜ高血糖がいけないのか?
血液中にあふれた糖分が全身の血管を傷つけ、血管の老化につながり、動脈硬化を引き起こします。
その結果、足の壊疽を起こしたり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高まってしまうのです。
食べ物の色に注目!
今回は食べ物の色に注目です。
ある色の食材は、血糖値を上げにくくしてくれます。
その色は「紫」です。
例えば、紫キャベツ、なす、赤たまねぎ、赤じそ、紫いも、ぶどう、ブルーベリー、ラディッシュ、黒大豆など、紫色の食べ物が、血糖値を上げにくくしてくれるそうです。
紫色の何が血糖値によい?
血糖値を上げさせない栄養成分は、紫色の色素成分「アントシアニン」です。
そして、フルーツの中でもダントツにアントシアニンが多く、血糖値を上げにくくしてくれるのが「ブルーベリー」です。
<糖尿病(2型)の発症リスクを下げる果物ランキング>
1位 | ブルーベリー | 33%減少 |
2位 | ぶどう・レーズン | 19%減少 |
3位 | プルーン | 18%減少 |
4位 | りんご・梨 | 14%減少 |
5位 | バナナ | 13%減少 |
6位 | グレープフルーツ | 12%減少 |
7位 | 桃 | 11%減少 |
8位 | オレンジ | 8%減少 |
アントシアニンの働き
アントシアニンは、インスリンの働きを助け、血糖値の上昇を防ぐ効果が期待できます。
「アントシアニン」と血糖値に関する医学論文は世界で200本以上も発表されていて、注目されています。
2013年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルでは、1週間に200g以上ブルーベリーを食べていると、食べていない人より33%糖尿病の発症リスクが低いという研究結果が発表されました。
「アントシアニン」は、糖尿病の発症を抑えるのによい働きをしてくれると考えられています。
アントシアニンを摂取するときの注意点
食べるタイミングが重要
アントシアニンは、摂取後1~3時間の間に最高値になるので、食事の1~3時間前に摂るのがポイントです。
アントシアニンは血液中に入ると、糖分を細胞に運ぶインスリンの働きを高めると考えられています。
そのため、食事の前に摂取しておけば、食事の時にインスリンの働きが高まり、効率的に血糖値の上昇を抑える効果が期待できるというのです。
食べ方も注意
野菜や果物に含まれるアントシアニンは熱に弱いので、生で食べる方が効果があります。
ブルーベリーなら、ジュースにしたり、冷凍してそのまま食べるのがよいでしょう。
高血糖を防ぐ紫食材レシピ
アントシアニンが血糖値上昇を防ぐことは分かりました。
でも、ブルーベリーを毎回の食事の前に食べるのはナカナカ大変そうです。
そこで、今回は比較的手に入りやすい「なす」を生食するレシピを奥薗さんが考えてくれました。
奥薗流なすの塩漬け
なすは、約1.5本で1日分のアントニアシンの量をクリアできるそうです。
※アントシアニンの1日の摂取目標量は110㎎
■材料
なす 3本
しょうが 1かけ
昆布 1×5㎝
塩 小さじ1
水 200ml
■作り方
①なすはヘタを落とし、タテに切り、それを斜めの輪切りにする。
なすは皮が硬いが、斜めに切ることで食べやすく、味が入りやすくなる。
②ポリ袋に切ったなすを入れ、香りづけにしょうが(1かけ)を千切りにして加える。
③②に昆布をハサミで切り入れる。
④③に塩小さじ1と、水200mlを加える。
普通はここでもむが、今回は揉まない。
ポリ袋内の空気を抜いて圧をかけ、真空の状態のようにして袋の口を結ぶ。
こうすることでアク抜きをしつつ塩水で漬けることができる。
⑤1時間ほど置いたら、袋の端を切り水を抜いて、好みの状態に水を絞れば出来上がり。
アレンジレシピ
なすの塩漬けにしょうゆ(大さじ1/2)、ごま油(大さじ1/2)、いりごま(大さじ1/2)を振りかけよく混ぜる。
なすの塩漬けにはちみつ(適量)、レモン汁(1/2個)、しょうが(1かけ千切りで追加)し、よく混ぜる。
はちみつは、単体で食べると血糖値がかなり上がりますが、食物繊維が豊富なしょうがを多く使っていることで、糖の吸収が比較的ゆっくりになるとのことです。
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空腹時の血糖値が正常でも、食後に血糖値が急上昇するかくれ糖尿病や、食後高血糖の人が増えているそうです。
ブルーベリーはおやつ代わりに、なすの塩漬けはお茶うけになど工夫して、普段から意識して、紫の食材を食事と食事の間に摂るようにするといいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました。