たけしの家庭の医学|認知症予防!海馬の萎縮の新原因 仮面高血圧の対処法

たけしの家庭の医学 血圧

脳の海馬の萎縮は、肥満、運動不足、糖尿病などの生活習慣の影響によって起こると考えられていましたが、最近の研究で新たな原因が分かってきました。

今回は、新原因とその対処法についてご紹介します。

 

 

放送日時・概要

テレビ朝日
7/2 (火) 19:00 ~ 21:48
名医とつながる!たけしの家庭の医学
3時間SPより
・認知症と深い関係がある“脳の海馬”を萎縮させる新原因が判明
・認知症の新たなリスク“仮面高血圧”を簡単に改善する方法とは?
をまとめました。

出演

MC:ビートたけし、澤田有也佳アナウンサー
ゲスト:小林幸子 中山秀征 床嶋佳子 ガダルカナル・タカ
解説は、鹿児島大学病院 副病院長 心臓血管・高血圧内科科学 教授の大石 充先生です。

 

海馬の働きと認知症の関係

脳の海馬は新しい情報を一時記憶する場所です。

海馬が衰えると新しい情報が記憶されにくくなり、最近会った人の名前が思い出せない、同じ話を何度もしてしまうなどの物忘れが起きます。

この海馬の衰えは、認知症の最初の危険信号です。

認知症の原因は、脳細胞が死滅することによる脳の萎縮です。

萎縮が脳の中でも早期に起きるのが海馬なのです。

 

海馬を萎縮させる新原因とは?

脳の海馬を萎縮させる新原因は「高血圧」です。

海馬には小さな血管が沢山あります。

高血圧による動脈硬化が起こると、そこに血液がいかなくなり、栄養不足による脳の萎縮が起きるというのです。

高血圧と認知症の関係

アメリカの研究チームが発表した論文によると、高血圧とそうでない人を比較したところ、高血圧の人は、認知症リスクが1.7倍も高いことが分かりました。

番組で検証した人の海馬の萎縮度と血圧の関係をチェックしたところ、やはり海馬の萎縮度が高い人は血圧も高い傾向にありました。

 

仮面高血圧

高血圧は日本人の3人に1人が患っていると言われていますが、血圧は1日の中で変動があるため、高血圧なのに気づかずにいる人も多いとのこと。

このような状態を「仮面高血圧」といいます。

「仮面高血圧」は、測定したときが正常値のため、本人にも自覚がなく、高血圧の状態が続いてしまいます。

 

 

仮面高血圧3つのタイプ

仮面高血圧には

・夜間高血圧

・早朝高血圧

・ストレス性高血圧

という3つのタイプがあります。

それぞれについて見ていきましょう。

正常な人の血圧

正常な人の1日の血圧の変化は、ほぼ一定(約120くらい)に保たれ、夜寝る直前に下がり始め、寝ている間は100くらいになり、起きる直前からあがり始める、というのが通常です。

 

1日の血圧変化

 

夜間高血圧

夜間高血圧の人は、夜寝ている間も血圧が下がらず120くらいを保ったままになります。

人によっては、日中の数値よりも上がることもあります。

日中の数値が正常なので、なかなか気づくことができません。

 

夜間高血圧

対処法

夜間高血圧の人は、昼間塩分を摂りすぎている可能性があります。

その場合、血液中の塩分を調整しようとして、夜間に血圧が上がってしまうのです。

対処法としては、塩分を控えることが大切です。

 

早朝高血圧

朝起きてすぐの時間帯に血圧が高くなる状態です。

約1時間ほど高血圧が続きます。

早朝高血圧は、心血管疾患リスクが通常の高血圧の約2.5倍になると言われています。

 

早朝高血圧

対処法

早朝高血圧の対処法は、過度の飲酒と喫煙を控えるようにします。

お酒は飲んだ時は血圧は下がりますが、アルコールが分解された後は上がると言われています。

タバコは吸った瞬間に血圧が上がりますが、吸わない時間が長くなるとイライラするので、朝に血圧を上げる原因になります。

 

 

ストレス性高血圧

ストレス性高血圧は、家事や仕事に真面目に取り組む人ほどなりやすく、日中に起こり、健康診断では正常なため、見つけにくいです。

人間の体は、小さなストレスでも交感神経が刺激を受けると血管を収縮させます。

生真面目な人ほど交感神経の働きがより強まる傾向にあり、血管が大きく収縮して高血圧になってしまうのです。

ストレスを受ける度に血圧が上がるため、1日の内に何度も高血圧になり、いつ上がっているのかも分かりにくいのです。

また、自分ではストレスに気づいていない場合もあります。

例えば、電車の遅延、社内での会話、楽しいと思っていたはずのママ友とのお付き合いなど、人によってストレスの感じ方は様々です。

対処法

ストレス性高血圧の改善は、ストレスの元を取り除くのが一番ですが、手軽な対処法として呼吸法を取り入れる、寝る前に温かい飲み物を飲む、というのがあります。

自分自身ストレスに気づいていないこともあるので、気持ちを落ち着けるつもりで取り入れるのもいいかもしれません。

簡単複式呼吸法

①お腹を膨らませることを意識しながら、鼻からゆっくりと息を吸う

②お腹をしぼませながら、吸う時よりもゆっくりと口から息を吐き出す

③繰り返し5分程度続ける

副交感神経が優位になりリラックスすることができますが、ストレスを受けた後では効果がないので、ストレスを受ける前に行います。

できれば毎日行う方がよいとのことです。

 

寝る前のホットドリンク

ストレスを感じる人は、夜寝られていない人が多いようです。

寝る前に少し温かい飲み物を飲むと、リラックスしてゆっくり寝ることができます。

ポイントは

・寝る1~2時間前
・ホットミルクやハーブティーなど、ノンカフェインのものを飲む

睡眠の質が向上することで、ストレス性高血圧の改善効果が期待できます

 

ストレス性高血圧が改善されると、認知機能悪化の防止や、認知症の発症予防につながる可能性があります。

 

 

「仮面高血圧」は、通常の健康診断などではなかなか見つけられないので、普段から塩分、飲酒、喫煙に気を付けたり、ストレスを発散させることも大切かもしれませんね。

 

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

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