今まで、心臓の老化を止める方法は見つかっていませんでしたが、最近の研究で「GLP-1」という成分が心臓の老化ストップに有効ということが分かってきました。
心臓の老化をストップさせる「GLP-1」についてまとめました。
目次
放送日時・概要
名医とつながる!たけしの家庭の医学 3時間スペシャル
テレビ朝日
4月23日(火) 19:00~21:48
番組概要
・心臓の老化ストップ『GLP-1』
・ひざ痛を劇的改善『お風呂でカンタン体操』
・全身の老化を遅らせる『ポリアミン』
・名医のセカンドオピニオン『頭痛』
出演者
MC:ビートたけし、澤田有也佳(ABCテレビアナウンサー)
ゲスト:ガダルカナル・タカ、榊原郁恵、山村紅葉、藤本美貴
医師:名古屋大学医学部付属病院 坂東泰子医師
心臓の老化
心臓は、老化するに伴い、心臓そのものが縮小し、拍動も遅くなります。
若い頃の心臓には、たくさんの毛細血管が存在しており、血流も豊富です。
このため、栄養分が心臓にいきわたり、心臓も元気に拍動できます。
しかし、加齢とともに少しずつ毛細血管が減少してしまい、心臓に届けられる栄養分も減少し、拍動も弱くなってしまいます。
従来は、毛細血管は一度減少してしまうと、元に戻らないと言われていました。
その状態のまま放置しておくと生死にかかわる心疾患を引き起こす可能性があるといいます。
救世主GLP-1現る!
従来、心臓の老化を止める方法は見つかっていませんでした。
しかし、GLP-1という物質が、心臓の老化ストップに有効であることがわかってきたのです。
3年間GLP-1を投与された人が、そうでない人と比べ、心血管症による死亡率が約22%も減少していたという事実もあるそうです。
GLP-1とは?
GLP-1について、従来分かっていたことと、新たに分かったことは次のようになります。
GLP-1に関する既存の知識について
GLP-1は小腸から分泌されるホルモンです。
GLP-1は、もともと血糖値を下げる働きが注目されており、2010年から糖尿病の治療薬として使われています。
人によって、GLP-1を多く分泌できる人とそうでない人がいます。
医学界の常識を覆す驚くべきGLP-1の働き
GLP-1によって、加齢により減少した毛細血管が再び増加することが、様々な研究により示唆されています。
冠動脈にたまったプラークは、破裂により心筋梗塞を引き起こす可能性がありますが、GLP-1により冠動脈にたまったプラークを除去してくれるそうです。
このため、動脈硬化の促進を防ぎ、心臓の働きを守ってくれるということでした。
GLP-1というホルモンの働きにより、心臓に良い影響があることがわかりました。
GLP-1について
それでは、GLP-1はどの程度分泌できればよいのか、また、分泌を促すためにはどうすればよいのでしょうか。
GLP-1の分泌量の基準
GLP-1は、私たちが食事することにより、その食事の刺激により分泌されます。
食後のGLP-1の分泌量が、食事前の分泌量の2倍が基準値となります。
これ以下となると正常に分泌できていないということになります。
GLP-1の分泌を促進するには?
心臓の老化ストップホルモンであるGLP-1を分泌させのに重要なポイントは2つです。
・毎食、根菜類(ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、里芋、山芋)を食べ、「適度な糖質」と「不溶性食物繊維」を摂取すること
・3食を決まった時間に食べること
なぜ、根菜類が良いかというと、食物繊維が豊富に含まれていることもありますが、野菜に含まれる糖質は炭水化物に含まれる糖質と違い、小腸を刺激してくれます。このことが、GLP-1の分泌に最適とのことでした。
また、決まった時間に食事することにより、いつも同じタイミングで小腸を刺激することができます。
この習慣化がより多くのGLP-1を分泌することにつながるのだそうです。
お手軽食材~アーモンド~
毎食根菜類を食べるのはなかなか難しいものですね。
そこで、もっと手軽にGLP-1の分泌を促すのに適している食材として紹介されたのが「アーモンド」です。
「アーモンド」には不溶性食物繊維が豊富に含まれていること、そして、持ち歩きもでき、手軽につまむことができるからです。
坂東医師の説明では、糖質とのバランス、そして不溶性食物繊維も摂れるナッツ類がいいとのことでした。
そのナッツ類の中でも「アーモンド」がダントツに不溶性食物繊維を含んでいます。
ちなみに100g当たりの不溶性食物繊維量を比較してみると、他のナッツ類を圧倒していることがわかります。
クルミ:6.9g
ピーナッツ:6.9g
ピスタチオ:8.3g
マカダミア:6.2g
根菜類との比較でも、優秀な食材であることがわかります。
ゴボウ:3.4g
ニンジン:2.1g
ジャガイモ:1.2g
サツマイモ:2.8g
ただし、あくまでも食事を中心として、食事に根菜類が含まれていない場合や、決まった時間に食事ができないときにアーモンドを活用し、バランスの良い食事を心がけることが大切であるとのことです。
6分間歩行テスト
番組では、心臓の機能を判定するための6分間テストについて紹介がありました。
このテストは、6分間に歩いた距離を測定し、年齢に応じた基準値を上回れば若い心臓と判定されます。
下回れば心臓機能低下の疑いがありと判定されます。
<基準値>
女性 | 男性 | |
60~64歳 | 655.4m | 689.8m |
65~69歳 | 638.1m | 678.1m |
70~74歳 | 634.5m | 673.5m |
GLP-1分泌量の検証
GLP-1分泌量の変化について検証に参加したのは、落語家 橘家竹蔵さんの奥様の纐纈啓子さん(67歳)です。
・食後のGLP-1は1.34倍(基準値は2倍)
・6分間歩行テストは基準の距離よりもだいぶ短い距離しか歩けなかった
心臓の老化が懸念されます。
根菜類の摂取量も少な目であり、決まった時間に食事をすることも難しいようでした。
そこで、坂東医師の推奨する食材である、アーモンドを持ち歩き、決まった時間に食事ができないときや食事に根菜類が欠けているときにアーモンドを摂ることにして、1週間継続し、その効果について検証してみることにしました。
その結果、
GLP-1分泌量は1.34倍 → 1.62倍
基準値の2倍には届かなかったものの、GLP-1分泌量に改善が見られました。
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従来は、減少した毛細血管は取り戻せないというのが常識でしたが、さまざまな研究によりGLP-1という物質が心臓の老化ストップに寄与することが判明しているとのことです。
3食、根菜類を摂ることが難しくても、「アーモンド」なら手軽に食べられるので、不足分を補うことができそうです。
基本は食事ですが、アーモンドの力もかりながら、心臓を大切にしたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました。