「MCI」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
MCIは軽度認知障害のことで、認知症予備軍です。
MCIの段階であれば、認知症の発症を防ぎ、正常な状態に戻る可能性があります。
そのためには、4つの認知機能「記憶力」、「視空間認知力」、「注意力」、「言語力」の衰えをチェックして、早期発見することが大切とのこと。
ここでは、「名医とつながる!たけしの家庭の医学」の認知機能チェックSPで紹介された「記憶力」についての予防・改善法をまとめました。
目次
放送日時・概要
テレビ朝日
12月25日(火) 19:00~22:00
名医とつながる!たけしの家庭の医学
認知機能チェックSP
出演者
MC:ビートたけし、澤田有也佳
ゲスト:ガダルカナル・タカ、具志堅用高、紫吹 淳、山田邦子、榊原郁恵、かたせ梨乃
医師:朝田隆、大谷晃司、生坂正臣
認知症・MCIの発症率
認知症は65歳以上の7人に1人が発症しています。
また、MCI(軽度認知障害)という状態の患者を含めると現在では、65歳以上の4人に1人、実に1000万人に達するということです。
従来、認知症になると進行を遅らせることはできても、完治することは難しいとされてきました。
しかし、最近では研究の結果、MCIの状態に早く気付くことにより、認知症の発症を防ぎ、それどころか正常な状態に戻る可能性もあると朝田隆医師(東京医科歯科大学教授)は説明されました。
認知機能4つの力
認知機能のうちでも早く衰えがちな4つの力に着目することが必要とのことです。
その4つの力とは、
「記憶力」、「視空間認知力」、「注意力」、「言語力」です。
番組では、4つの力についてチェックするとともに、それぞれの力が低下していると判断される場合の予防改善方法が、朝田医師より紹介されました。
ここでは、「記憶力」、「視空間認知力」、「注意力」、「言語力」のうち、「記憶力」についてまとめています。
記憶力の低下と予防改善法
記憶力
「何を取りに来たっけ?」
「冷蔵庫に牛乳があることを忘れて、また買ってしまった・・・。」
一度は経験したことがあるかもしれませんが、こんなことが度々ある場合には、記憶力の低下が心配されますね。
この記憶力は
「記銘(=覚えること)」
「保持(=記憶を保つこと)」
「再生(=思い出すこと)」
この3つの過程から成ります。
この過程のうち、「記銘」が加齢により衰えてしまうと、新しく覚えることができなくなり、認知症につながる恐れがあるということです。
また、記憶を司る脳は、「海馬」という組織ですが、この海馬が縮小することにより記憶力が低下します。
記憶力のチェック
番組では、記憶力をチェックするテストとして、「イラスト記憶テスト」と「顔認証テスト」の2つのテストが行われました。
ここでは、テストのやり方を簡単にご紹介します。
記憶力テスト1・イラスト記憶テスト
1つ目は、何が描かれていたかを思い出すテストでした。
手順は次のとおりです。
(1)16枚のイラストを提示
(2)100から7ずつ引いていく(100-7=93,93-7=86,86-7=79,・・・)
(3)16枚のイラストに何が描かれていたか1分で回答
(4)再度、16枚についてヒントを得て、回答する
(4)のヒントについては、例えば、回答が「ちりとり」であれば、「掃除用具」がヒントとして提示されます。
(3)のノーヒントの段階で回答できなくても問題ないそうです。
ヒントを得て正答できた個数が10以上正解できれば問題ないそうです。
一方、10未満である場合は記憶力の低下が疑われるとのことです。
これは、MCIと診断された方の平均が10未満の正答であったことが基準となっているようです。
記憶力テスト2・顔認証テスト
このテストは「顔認証テスト」といわれ、他人の顔を記憶し識別するテストです。
手順は、
(1)化粧、特にアイラインを強調した舞台用メイクを施した女性の顔を覚える
(2)複数のナチュラルメイクの女性の写真から、(1)の写真の女性がどれかを選ぶ
番組では5人の中から選んでいました。
人間にとって顔の記憶は、生命に係る非常に重要な能力だそうです。
そのため脳の中には顔を認識するための「顔細胞」というものがあり、相手が敵か味方か、怒っているのか、笑っているのかなどを判断しています。
人は顔を識別するとき、目、鼻、口の順にとらえるそうです。
「顔細胞」が衰えてくると、メイクをして目の特徴が隠されてしまうと、顔を記憶しづらくなってしまうのです。
記憶力低下に対する予防改善方法
テスト終了後、記憶力の低下が疑われる場合の予防改善方法を朝田医師が教えてくださいました。
記憶の3つの過程のうち、「再生」である「思い出すトレーニング」を続けると情報をインプットする力も鍛えられるそうです。
記憶力のトレーニング方法
具体的に示されたトレーニングは「ひとつ前の食事を思い出すこと」です。
例えば、朝、昨日の夕食のメニューを思い出します。
当初はうまくいかなくても諦めずに続けることが大切であり、このトレーニングによって「海馬」が活性化されるそうです。
「ひとつ前の食事を思い出すこと」
記憶力が不安であれば、お試しください。
MCIの段階であれば、認知症に進まずに正常な状態に戻せる可能性があります。
認知機能改善のポイントは、毎日無理なくトレーニングを継続することだそうです。
「思い出すトレーニング」として、一つ前の食事を思い出す訓練は手軽にできるので、認知症にならないためにも、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みくださりありがとうございました。