さまざまなメディアで取り上げられてきた「小さなお葬式」。
家族葬などの需要に対し、いち早くサービスを開始したことで注目されています。
特徴は、葬儀費用を明確にして、全国どこでも同じクオリティーの葬儀を、統一価格で行うことを実現しているところです。
最近では同様にセット料金で葬儀を行ってくれる葬儀社も増えてきました。
「小さなお葬式」の特徴と、よい点、悪い点をまとめました。
目次
葬儀にかかる費用ってどのくらい?
葬儀にはお金がかかります。
そしてその費用が見積もりよりもかかってしまい、請求書がきてからビックリという話もよく聞きますね。
2017年にまとめられた日本消費者協会の報告書によると、葬儀にかかる全国の平均額は196万円です。
・通夜など 約120万円
・寺院費用 約46万円
・飲食費 約30万円
※「第11回葬儀についてのアンケート調査」報告書2017年
「小さなお葬式」と同業他社との違いは?
最近は「小さなお葬式」と同様に、お葬式の費用がパックになっている葬儀社が多いです。
また、家族葬や低価格を宣伝している葬儀社も少なくありません。
では、それら同業他社との違いはあるのでしょうか?
「小さなお葬式」は葬儀社ではない
「小さなお葬式」は、実は葬儀社ではありません。
葬儀社を仲介してくれる会社で、運営しているのは株式会社ユニクエストという大阪にある会社です。
「小さなお葬式」では、定額の葬儀プランをつくり、そのプランを提供してくれる葬儀社と提携をしているのです。
葬儀の依頼があると、提携している葬儀社の中から、近くて条件の合う葬儀社を紹介してくれるのです。
「小さなお葬式」の特徴は?
「小さなお葬式」の特徴をまとめました。
・追加料金があまりかからない
・価格が全国統一されている
・サービス内容のクオリティーも全国統一されている
「小さなお葬式」の特徴は、全国どこでも「同一料金&同一クオリティー」という点にあります。
パック料金で差がでる主なところ
お葬式の費用がパックになっている場合、葬儀社によって何がどこまで料金に入っているのかが違います。
差が出るポイントをまとめました。
お葬式の主な流れ
まずは、お葬式の主な流れを確認しましょう。
亡くなられてから、故人を送るお葬式までの主な流れは次のようになっています。
②安置
③通夜
④告別式
⑤火葬
「小さなお葬式」家族葬の場合
「小さなお葬式」で、家族葬に含まれるサービスで、金額に差がでやすいところを見てみます。
安置場所への移動
病院などで亡くなった場合、故人を迎えにいき安置場所へ移動させます。
安置場所は自宅か葬儀場が一般的です。
パック料金には、この移動にかかる費用が含まれていますが、実は距離が決まっています。
「小さなお葬式」のパックには50㎞までが料金に含まれています。
最近は50㎞というところが多いようですが、中には10㎞や30㎞など短い設定のところもあります。
距離を超えると追加料金がかかります。
安置
亡くなられてから24時間は火葬することができません。
また葬儀まで時間が空くと、ご遺体を安置しておかなければなりません。
安置しておくには費用がかかります。
「小さなお葬式」のパックには4日間安置しておくための費用が、ドライアイスの料金も合わせて含まれています。
この安置にかかる費用も、葬儀社によって違うので確認が必要です。
通夜・告別式の斎場
通夜や告別式を行う施設にはランクがあります。
葬儀を行うだけのお寺もあれば、着替える場所や控室、安置場や宿泊設備も整っている一般式場などもあり、施設のクオリティーによって使い勝手が変わってきます。
お寺は、特に都内では追加料金がかかる場合が多いです。
公民館はクオリティーに差があります。
「小さなお葬式」は、設備の整った一般式場との提携が多いのが特徴で、施設の利用料は最大
100,000円がパックに入っています。
他では50,000円というところが多いようです。
祭壇のお花
追加料金がかかることが多いのが祭壇に飾る生花です。
「小さなお葬式」は幅2m2段の祭壇をお花で飾ってくれます。
プランに含まれているお花はどのくらいの量なのか確認しましょう。
搬送
式場~火葬場~式場までの移動距離は、50㎞までパックに入っています。
この移動距離も葬儀社によって違うようです。
追加料金とならないか、距離は確認しましょう。
「小さなお葬式」の良い点
「小さなお葬式」のサービス内容をみてきましたが、よい点をまとめました。
斎場の設備
差が出やすい部分をみてみましたが、一番大きい点は斎場だと思います。
「小さなお葬式」が提携している式場は、一般式場で設備が整ったところが多いです。
施設使用料の上限も100,000円と、他よりも高めに設定されているので、使い勝手の良い式場でストレスなくお見送りができるのではないかと思います。
セットプランという料金設定
そして魅力は、やっぱりそのお値段の安さです。
セット料金なので、一般的な葬儀費用よりも安いですし、追加料金も分かりやすく想定内で済ませることができるでしょう。
日本消費者協会の2017年の報告書によると、葬儀にかかる全国の平均額は196万円とのこと。
葬儀の規模が分からないので、単純な比較にはなりませんが、「小さなお葬式」の一般葬のプランは、
・30名~100名程度
・通常価格643,000円(税込)+お料理+返礼品
仮に、お料理と返礼品を一人6,000円とすると、50人分なら300,000円です。
トータル943,000円で100万円は切ります。
良い口コミ
「小さなお葬式」を利用した方の、よい口コミをまとめました。
・余分な事を省くことができるので経済的に助かった。
・対応するスタッフは本格的で手を抜いている感じが一切無く、真摯に対応してくれて感謝している。
・違う場所で2度利用したが、どちらも綺麗な葬儀場でよかった
・料理を追加注文したが、それ以外には追加の費用はかからなかった
・家族で温かい葬儀ができて満足
・1日葬の約35万円のプランが、オプションを含めて50万ほどで済んだ
・参列者に格安サービスを利用しているという印象を与えることなく、満足して終えることができた
・豪華さはないが、スタッフの方が丁寧で、気配りもよく満足いくものだった
・担当の葬儀社がとても丁寧で感じがよく、安いからと故人に引け目を感じることなく気持ちよく送り出す事ができた
・料金は最初のプラン通りで追加料金等は一切なし、オプションで頼んだお返しのお品も買い取りではなく使用した分の料金で済んだ
・搬送の際、少し遠回りなのに桜並木のきれいな通りを通ってくれて忘れられない思い出になった
・比較的近場で一番安いプランが小さなお葬式だった。サービスは非常に行き渡っていたとまでは言えないが、十分に満足できるラインで総合的に非常に良い選択だったと思う
「小さなお葬式」の悪い口コミ
ここまで良い面を見てきましたが、悪い点はないのでしょうか?
実際に「小さなお葬式」を利用された方の悪い口コミをまとめました。
・エンバーミングが必要だったのに、処置のできない人が来て処置用の綿花だけ置いていかれた。結果故人の遺体が傷んでしまった
・送迎用のバスを往復とお願いしたのに片道しか手配されていなかった。葬儀屋のいう「往復」と葬儀については素人の私が思う「往復」に違いがあった。勝手に葬儀屋の常識で考えず、ちゃんと説明して確認して欲しい
・結局追加、追加でプランの値段では終わらない
・カードで支払いができると思っていたのに、追加プランは現金払いだと言われた
・シンプルなお葬式と適当なお葬式は意味が違う。適当に扱われた感がある
・カスタマーサービスはまともな案内ができず、あとから聞いていないという事例が多発。気持ちが落ち込んでいるときにトラブル続きで疲弊した
・事務的でお金の話ししかせず、まったく心がこもってない
・オペレーターの対応が冷たく、任せたいと思えなかった
・担当の方の意識が低く、説明・時間の段取り・遺体への接し方・支払いに関して 等、全てにおいて嫌な思いをした。やり直せるならやり直したい
・火葬場で参列者がいる前で請求書を出してきた。
・要らないと言っても営業トークがすごくオプションを追加させようとする。結局一日葬の約30万円のプランが100万円近くになった
やっぱり悪い口コミもありました。
トラブルの原因は、葬儀を担当した人の意識の低さと、説明不足にあるようです。
「小さなお葬式」で低価格のお葬式をするお客様だから適当でいいと思ったのでしょうか?
葬儀担当者自身が「小さなお葬式」のセットプランの内容や主旨を理解していないのかもしれないです。
そもそも現場が「小さなお葬式」と提携していることに不満を持っているのかもしれません。
どんな理由があるにせよ、故人を大切に見送りたいと思う人の気持ちをぞんざいに扱う葬儀社に直接お願いしても、満足するお葬式ができるのかは疑問に感じます。
トラブルを回避するには?
どうやら担当する葬儀社に当たり外れがあるようです。
「小さなお葬式」を通しても通さなくても、良い葬儀社は良いし、悪い葬儀社は悪いということかなと思いました。
高いお金を出せば、丁寧に扱ってくれるという現実もあるかもしれませんが。。。
自己防衛&自己責任
今からできるトラブル回避として「お葬式」について知ることが大切だと思いました。
お葬式はどのような流れで行われ、どこで何が必要か?
「小さなお葬式」に限らず、パックになった安いプランを利用するのなら、ある程度お葬式のことを知っておくのは自己防衛&自己責任なのかもしれません。
「お葬式」について知識を持った上でプランをみれば、ある程度内容が分かりますし、葬儀社との打ち合わせの際に、確認や質問も的確にできます。
何社か取り寄せてみるとよいと思います。
資料を取り寄せると、たいていエンディングノートがついてくるので、今後のことを準備する参考にもなります。
参考記事:資料を上手くつかう
生前に準備しておく
その時になって「小さなお葬式」を利用すると、どんな葬儀社に当たるかは運でしかなくなってしまいます。
やはり、いざという時に慌てたり、嫌な思いをしないように、生前にどこにお世話になるか決めておくのがよさそうです。
そして、お葬式の内容を理解し確認しておくことが重要です。
「小さなお葬式」を利用するメリットは、一定の設備が整った会場を選べることと、やはりお値段の安さだと思います。
・プラン内容の確認
・追加内容と料金の確認
・分からないこと、不安に思ったことの確認
分かっていても、こういうことを確認するのは、いざその時にはなかなか大変でしょう。
早割という制度もあるので、相談がてら様子をみにいき、ここなら安心という関係を築いておけるといいですね。
「小さなお葬式」を運営している株式会社ユニクエストでも、葬儀社の口コミは気にしているようです。
問い合わせたときに、葬儀社を仲介する際には、よい口コミのところを優先的に紹介していると聞きました。
ただ、必ずしもそうできるわけではないのが現実です。
直営ではない、提携店舗が多いということで目が行き届かないと思います。
また、今までのやり方を変えられないところは、パック料金で一律のサービスというのがなじまない葬儀社もあるのかもしれません。
以前は、お葬式にかかる費用が不明瞭だと言われることが多かったですが、最近はいろいろな形のお葬式が増え、金額やサービス内容も明確になってきました。
今後も少人数で見送るお葬式や低価格なお葬式は増えると思います。
「小さなお葬式」の口コミは、悪いものばかりではなく、良いものもあるので、上手に利用すれば満足のいくお葬式ができるのではないでしょうか。
なお、内容は記事投稿時点でのものです。
サービス内容に変更がある場合もあるので、詳細は「小さなお葬式」のHPなどでご確認ください。